保育士の思い

ぽんぽこ山保育園の園庭の真ん中にある大きなイトヒバの木。木登りが楽しめるこのイトヒバはこの園のシンボルであり、昔から変わらず子ども達を見守っています。
ここに集う子ども達も、四季を通じてこの木の下に自然と集まって遊んでいます。小石あそびから始まりおままごと、そして今では木登り遊びが子ども達の楽しい遊びになってきました。子ども達はこの木が大好きなのです。
一年前は、枝に取り付けられたロープにぶら下がって遊んだり「先生手伝って!」と言って体を支えてもらって登っていましたが、今年はロープを握る度に“自分でこの木に登ってみたい”と何度も何度も練習を始めました。繰り返すうちに腕の力も強くなって、やっと自分の力で登れるようなる。たまらなく嬉しくて、楽しくて、きらきら輝く笑顔が“自信”にあふれる顔にかわっていきました。いつの間にか大きくなってたくましい子どもに変身です。木の上から見える景色や空、風を感じて、子ども達は枝にお互いの場を上手に作りながら楽しい話がはじまるのです。そして、もっと高く!と弾みをつけて、自分をためすこともはじめていきます。

生活にもメリハリがつき始め、自然が育ててくれること、全身を使って楽しみ、自信からあふれる心の余裕や心の持ちようで成長しているように感じられるのがこの園の子ども達だと思います。乳児組は木の下から上を見上げては、ロープをもって遊んでいます。“自分も大きくなったら……”と。
自然が与えてくれる幸せを私たちは感じずにはいられません。
これからはAI化の時代になっていきます。子どもを取り巻く環境は自然からどんどん離れていくことでしょう。人は自然の中の一部だと考えると、技術の恩恵を受けながらも、自然に積極的に関わっていくことは大切と思うのです。子ども達にとって自然の中でのわくわくする遊び、楽しくてたまらない体験の積み重ねは、さまざまな力を養い、自分の頭で考える力を育んでいると思えるからです。
自然の力を借りながら、ともに幸せや喜びを感じ、子どもの豊かな心の成長をイトヒバの木とともに側でそっと見守りつづけ、かけがえのない保育士になりたいと思います。

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